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求人

福岡地域

建築

心地よい場所が、人を呼び、まちをつくる。まちづくりに携わりたい建築・設計の方、注目!

株式会社斎藤政雄建築事務所

▼建築とまちづくりをシームレスに考える

春のどんたく、夏の山笠に並び、博多の三大祭に数えられるのが、秋の筥崎宮放生会。実り豊かなこの季節、生命と恵みに感謝する秋祭りのひとつです。

祭りが始まると、お宮の周りは大賑わい。ずらりと露店が並び、参道は肩を交わして歩かなければならないほどたくさんの人であふれかえります。

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博多の人間ならば、一度は訪れたことがあるであろう大きなお祭り。その開催期間に合わせて、12年前からもう一つのお祭りが始まりました。その名も『ハコフェス』。一年に一度、放生会の賑わいを、参道から箱崎のまち中へと広げるイベントです。

ハコフェス

ハコのわダンス

今回の求人の依頼主である『斎藤政雄建築事務所』は、福岡市東区にある建築事務所。『ハコフェス』をはじめとするさまざまなまちづくり活動のシカケ人でもあります。

「“まちづくりもしている建築事務所”と言ってしまえばそうなんですが、僕たちの感覚では、建築とまちづくりはもっとシームレスなもの。設計の軸にはいつも、人の居場所をどうつくるかというテーマがあります。僕たちは、そのテーマにおいて、全方位的に関わっているというだけなんですね。場所づくりを考えていて、時にアウトプットが建築物ではなくてイベントになることもある。『ハコフェス』も、その例のひとつです。」

そう話すのは、代表取締役の斉藤昌平さん。今年で創業44年目を迎える同事務所の2代目です。

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「地域再生やローカルビジネスが注目される中で、まちづくり活動の部分をフォーカスされることも多いですが、自分たちの住んでいるまちのことを、自分たちで考えるのは当たり前。建築の仕事においても、関われる部分で当たり前に関わってきた、というのが実際のところです。もともと父がそういう発想の持ち主だったので、ごく自然な流れで、僕もその考え方を引き継いでいます。うちの事務所のコンセプトは、場所づくりの観点から、“つくること”と“使うこと”をワンストップでつなぐ設計。建築物のジャンルは問わずに、個人宅や施設、公共の建物など、さまざまな物件を手がけています。」

事務所を見渡すと、これまでに手がけた建築物のパネルや模型が所狭しと並べられていました。住宅、学校、オフィスに福祉施設…たしかに、ジャンルはオールラウンドのようです。

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今回、募集する職種は、建築の設計監理。同事務所がこれまでそうであったように、設計と場所づくり、ふたつの要素を横断して活躍できる人材が求められています。

「設計監理職なので、設計のスキルはもちろん必要なんですけど、それはツールであって、目的ではありません。クライアントがどんな場所をつくりたいと思っているのか。課題は何か。ともに考えながら、目的を達成していくようなコミュニケーションが取れる方を求めています。すばらしい図面が書けても、それだけではいけないし、場所づくりの構想だけ抱えて、最終的な落とし込みがないというのも困ります。今は、ちょうどメンバーの入れ替わりの時期でもあるので、まずは、即戦力になれる人材がほしいですね。」

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▼箱崎の未来を左右する、一大プロジェクトのメンバーに

同事務所で建築に関わるということは、同時に、あるひとつの課題と対峙することも意味します。それは、2019年までの移転が決定している、九州大学箱崎キャンパスの跡地利用について。

「箱崎キャンパスの敷地は、43ヘクタール。4年後には手放されるこの広大な敷地と建物を、今後どのように活用していくか。これが、今、僕たちが直面している大きな課題です。箱崎でずっと場所づくり、空間づくりを考えてきましたが、これは、まちの姿を大きく変える一大プロジェクト。自分たちのまちに主体的に関われる大きなチャンスでもあります。今は、跡地の利用について考える協議会に参加したり、再開発の事業者としても、ほか数社と組んで手を上げているところです。」

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―九大の跡地利用に関しては、学校側が一部の建築物を除いて解体の可能性を言及したこともあって、大いに議論されていますね。

「そうですね…。ただ、取り壊してしまうと、取り返しがつかないということは明白です。建築に携わる僕たちとしては “更地売却ではなく、保存活用を”という提案を続けています。初期の建物は築100年を越えるものですし、貴重な近代建築であることは確か。さらに、時代の中で建て増しを続けてきた総合大学なので、このキャンパスの中にも歴史を見ることができるという、全国的に見ても少ない事例です。歴史をごみにするのではなく、財産として活かしましょうと、全学部の建物に対して、ひとつひとつ再生例の提案をしているところです。当然、経済的なことを考えると、すべて実現するのは難しいかもしれませんが、古いものを活かすと言う考え方は、これからますます必要になってくるはず。ヨーロッパに倣って、暮らしや建築に対する考えを成熟させるためにも、このプロジェクトが100年の歴史を生かした都市再生のモデルになればいいな、と思っています。現在進行形の話なので、これからどんな風に関わっていけるか未定ですが、今回新しく入ってきてくださるメンバーには、このプロジェクトに関しても大いに意見していただきたいです。」

▼新旧が入り混じる“まぜもん”のまち・箱崎

事務所の最寄りであるJR箱崎駅は、博多駅から2駅のところ。時間にして6分と、都市部へのアクセスも抜群です。ここ数年の再開発で、駅周辺は景色を変え、ファミリー系の高層マンションが建ち並ぶようになりました。一方でお宮の方まで足を伸ばすと、昔ながらの建物や商店街の街並みが残っていたりと、新しさの中にも、時代の片鱗が見られます。

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「箱崎は、古いものと新しいものがミックスされたまち。九大の歴史は100年ですが、筥崎宮の歴史は1000年。平安時代から続く時間が、このまちには流れているんです。当時は、中国との貿易が盛んで、箱崎には『大唐街』と呼ばれる地域がありました。それからさらに年月がたち、九州大学ができてからは、また全国各地から人が集まる場所に。箱崎には、お寺も教会もモスクもあるんです。寛容性と多様性をあわせもったまちだと言えますよね。天神や博多と比べて、時間の連続性が感じられるというところが特徴であり、魅力だと思います。」

商店街の地図をなぞりながら、箱崎のおすすめスポットを聞いてみました。博多で一番古いと言われる焼鳥屋さんに、日本一苗字の品揃えが多いはんこやさん、パキスタン人が営む本格カレー屋さんに、エリック・クラプトンがオーダーにくるというシャツ屋さん…!?あまりに個性的な面々にびっくり!こんなお店が揃うのも、万人に開かれた箱崎と言う土壌の証でしょうか。これを懐の深さだと捉えると、移住先としては大きな魅力かもしれません。

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▼開いた扉の先に、明るい未来が見える仕事

人や文化の流入もある一方で、まちには、空き家になる物件も当たり前のことながら存在します。主な理由は、建物の老朽化やオーナーさんの高齢化。「これからは、新築だけではなく、リノベーション案件も増えていきそう」と、斉藤さんは話します。

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「箱崎商店街でのリノベーションは、これまでにもいくつか手がけてきました。例としては、和食店の『筥崎こ村』、まちに開かれた福祉作業所『ひだまりのぷりん』、オフィス兼イベントスペースの『ムメイジュク』など。建物が古くなるのも、オーナーさんが老いるのも仕方ないことですから、リノベーションの需要はこれからますます高まると思います。一度閉じてしまった場所を利活用して、さらに魅力的な場所として再生させる…。ひとつひとつ扉を開けていくリノベーションの仕事は、その先に明るい未来が広がっているようなイメージがもてて、とても面白いです。」

―最後にこれからの展望を聞かせてください!

「今現在も取り組んでいることですが、単なる設計ではなく、“つくる”と“使う”が一体となった設計の価値を、クライアントにわかりやすく伝えられるような状態にしていきたいですね。例えば、最近手がけた例だと、お寺。境界地内に新しい納骨堂をつくったんですが、“若い人にもお参りに来てほしい”という依頼に対して、そのためにどんな場所を想像するか、今後どう活用していくかというソフトの部分も含めて、一緒に考えています。これまで僕たちが場所づくりと呼んで取り組んできたものを体現化し、その価値をどんどん高めていけたらと思っています。」

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“まちは人でできている。人は心地いい場所に集まる。心地いい場所をつくることで、みんなが愛せるまちをつくる”これが、斎藤政雄建築事務所の考える社会貢献。携わる仕事は様々ですが、その背景にはいつも大きな地元愛が流れています。
「建築が好き」「福岡が好き(好きになれそう!)」という全国の設計・建築士の方、熱量のある、愛ある応募をお待ちしております!

会社名
株式会社斎藤政雄建築事務所
募集期間
~10月18日(日)
採用人数
1名(場合によっては若干名)
募集職種
建築設計、まちづくり
雇用形態
正社員(フレキシブルな勤務形態の相談可)
勤務地
福岡県福岡市東区原田1-1-13 LIC2-501
勤務時間
9:30~17:30(相談可)
給与
基本給150,000円~(経験とスキルにより要相談)
福利厚生
交通費あり
社会保険完備
賞与は業績による
休日休暇
週休二日制
仕事内容
建築設計監理、まちづくり事業、イベント企画運営
応募資格
建築とまちがお好きな方
(有資格者、設計基礎スキルのある方を優遇)
選考プロセス
STEP-1.本サイトへお申込み
STEP-2.書類選
STEP-3.面接
備考
【求める人物像】
好奇心があって、前向きであること。
他人の意見に対して寛容であること。
募集終了しました

この記事を書いた人

藤井優子
山口県下関市出身。 福岡でタウン誌の編集を経て、フリーライターに。主に暮らしや結婚などライフスタイルにまつわる媒体に携わる。糸島市HPにてコラム「糸島くらし」、福岡R不動産サイト「移住者インタビュー」などを連載。