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全国・海外へも届けられる糸島ブランド『またいちの塩』。つくり手と人々をつなぐ架け橋に。飲食・物販部門スタッフを募集!

新三郎商店株式会社

▼糸島という地での塩づくり

福岡市街地から車で一時間ほど、県西部に位置する糸島半島の中でも最西端、まさに突端(とったん)にある製塩所「工房 とったん」。ここでつくられているのは、『またいちの塩』という名で、全国ひいては海外にも知られるブランド塩です。
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糸島半島の西の海岸線を走りぬけ、車がやっと一台通られるくらいの砂利道を進んだ先に、その工房はあります。

敷地手前には、軽食やプリンの小さな店舗、続いて海水を煮詰めるための工房があり、いちばん奥・半島の最先端には、見上げるほど大きな塩田が…。堅強そうな木で組まれた塩田には、竹の枝がいくつもつるされていて、海水が細い線を伝ってきらめき落ちてくる様子を、美しいと感じずにはいられません。

「海風がひどいと煽られて飛んでいっちゃうんですよ。塩害だってあるし、つくって飛んで、つくって壊れて、またつくっての繰り返し。今日だって、ウッドデッキの工事中です。まあ、この立地ですからね。」

そんな大変そうなことをカラリと笑って話すのは、『またいちの塩』をつくる新三郎商店株式会社の社長であり、ここの塩守でもある平川秀一さん。
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福岡市出身の平川さんは、世界各国で料理人としての経験をつんだのち、26歳のときに製塩の世界へ―…。全国的にも珍しい立体式の塩田は、その仕組みはもちろん美しい意匠にも感銘を受けるのですが、これらの建物すべてをつくるところから塩づくりをはじめたというから驚きです。

「料理人から製塩業に転身したという感じではなくて、〝日々、美味しいものをつくろう〟ということをただ続けているんです。美味しい料理には、美味しい素材が必要で、そうやって因子分解していった先に塩があっただけ。『またいちの塩』をはじめたのは、ちょうど塩の専売法が解禁になったタイミングでしたが、〝塩であててやるんだ〟という気持ちでもなくて、〝とにかく美味しいものをつくり続けよう〟という気持ちで取り掛かりました。ただ、おもしろいものがつくれそうな予感がしたし、しっかりやれば、納得のいくものがつくれるとも思いましたね。」

塩づくりには、素材となる良質な海水と、一日通して塩田に日が当たり続ける南向きの立地が必要不可欠。九州の北部に位置する福岡県では、南向きの立地そのものが珍しく、このふたつの条件を満たす場所と出会えたことが、平川さんの塩づくりを後押ししました。

半島の地形がもたらす稀有な場所と〝良い海水〟。塩づくりにおいて良い海水とは、目に見えて綺麗で、それでいて養分が豊かであること。ミネラル分の多さなどが、塩の〝美味しさ〟を支えるのだそうです。工房の近くでは牡蠣の養殖が盛んで、それもこのあたりの海が養分的に豊かであることを示しているのだとか。
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「牡蠣がよく育ち太るには、豊富な養分が必要です。このあたりの山が国定公園に指定されていて、手つかずの自然が残っていていることが、海にとっても大きいんですね。人が手を加えた山では杉や檜が多く、落葉せずに土がやせてしまいますが、ここら一帯では様々な樹木の枯葉が落ちて山を豊かにしてくれる。山の養分は渓流を下り、やがて海へと流れ込みます。豊かな海では海藻類が育ち、生き物が集まり、自然のサイクルが生まれる。話を塩に戻しますが、つまりは、海が豊かになること=塩の原料となる海水がおいしくなる、ということなんです。」

そんな話を聞いて視線を上げると、新芽萌える春の山が悠然と佇んでいました。山を彩る緑の濃淡は、そこに様々な樹木が茂っている証拠。大きな自然の営みに育まれた豊かな海で、『またいちの塩』はつくられているのです。

▼おいしい塩をつくる、そのもう一歩先へ

実は、福岡移住計画での『またいちの塩』の求人は、今回が2回目。前回は、新三郎商店株式会社として塩づくりに関わる全体的な募集でしたが、今回の求人は、飲食と物販を中心とした業務が対象になります。

勤務地となるのは、工房から車を走らせて30分のところにある、ゴハンヤ『イタル』/喫茶店『Sumi Cafe』/塩の販売店『季節屋』の3店舗。これらは、「製塩のみならず、つくった塩をさまざまに表現して、人に届けたい」そんな思いで展開されている複合施設です。そして、「丹精込めてつくった塩を、もっとおいしく楽しむにはどうしたらいいか」、平川さんの探究心の目下の矛先でもあります。
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「築130年のすばらしい建物との出会いがあって、そこからこの3店舗の構想を練りました。古い建築物のメンテナンスには時間もお金もかかるだろうなとは思いましたが、手を入れればきっと素晴らしい空間に生まれ変わると思ったんです。塩づくりの合間を縫いながら工具を握って、一年間の改装期間を経て『イタル』と『Sumi Cafe』をオープン。一時休業していた期間もありましたが、販売店の『季節屋』を加えて2014年の秋にリスタートしました。」

現在、『イタル』は毎週金・土・日、『Sumi Cafe』は、毎週日・月・火と曜日を限定して営業中。店を開けばニーズがあるのに、開けないのは、人材不足の問題ということで…。

「今は、僕も『イタル』に料理人として入っています。組織として大きく成長するためにも、本当はひとつひとつの施設を信頼できる人材にまかせられることが理想です。一つひとつの店舗がしっかり稼動して体力をつけていけるように、新たな仲間を募集したいと思っています。」
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―仕事内容はどんなものになりますか?

「飲食店での調理、接客、商品の販売やイベント企画など…。今ある仕事にこれからやっていきたいことも加えると、挙げればきりがありません。なので、まずは『またいちの塩』で働いてみたいという強い興味がある方に来ていただければいいと思っています。もちろん、なんでもできるマルチな方がきてくれれば嬉しいですが、熱量さえあれば〝これから勉強したい〟〝経験をつみたい〟という方も大歓迎。幅広く、3名ほど募集します。」

経験不問。募集条件は、『またいちの塩』に強く心惹かれる気持ちや、わくわくする予感を持っていること。

「糸島は、身近に鮮度の高い素材がたくさんあります。たとえば、料理人なら、新しい素材を見つけることを楽しんだり、どんな風に提供するか考えてわくわくしてほしい。ルーティンの仕事はなにひとつないので、自由だけどその分、目的意識が必要です。指示を待たれるのは辛いですが、こういったことがしてみたいとか、熱い心にはいくらでもチャンスを与えられると思いますよ。」

提供の場である『イタル』や『Sumi Cafe』、『季節屋』で働く人々が、〝ここにしかないものをつくっている〟という誇りをもって、塩を扱ってくれるのは、工房で働くスタッフにとっても嬉しいこと。「僕も含め、実際に塩づくりに携わる人間は、自分たちでつくっているからこそ、塩の魅力を口にすることがむずかしい」と平川さんは話します。自分の口で言ってしまうと手前味噌になる気もするし、汗をかいてつくっているからこそ言葉にした瞬間に軽くなってしまう気もするのかもしれません。
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※『Sumi Café』外観

飲食・販売部門において強力な語り部、表現者が増えれば、『またいちの塩』の大きな大きな力になるはず。平川さんの熱い思いをたくされ、工房を後にしたのち、実際の勤務地となる場所へと向かいました。

▼『またいちの塩』がプロデュースする3つのお店

山肌をすべるおりる風が心地よく、緩やかな山容と広がる田畑がおだやかな景色を織りなしている。今回の受け入れ先となる3店舗があるのは、そんな田園風景の中です。訪れた日は、春の陽気。せまるような新緑と菜の花の黄色が景色を色づかせていました。

ここの顔ともいえるのが、ゴハンヤ『イタル』です。地元で採れる素材を活かした和食屋さんで、メニューのいちばん人気は、『またいちの塩』をふんだんにつかった鯛の塩釜焼きと羽釜で炊いたご飯の定食。『イタル』の玄関に続くアプローチの左手に喫茶店『Sumi Cafe』、右手に販売店『季節屋』があります。
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「海縁の『とったん』とはまた趣が違って、ここはおだやかでしょう。糸島といえば太陽輝くビーチサイドのイメージが強いかもしれませんが、山手のほうもなかなかいいんですよ。」

蝶ネクタイをきゅきゅっと締めなおしながら、朗らかな笑顔で対応してくれたのは、喫茶店『Sumi Cafe』で店長を務める丸山太朗さん。ご自身も、昨年の夏からこちらでの勤務を開始したばかりということで、入社の経緯なども踏まえてお話を聞かせていただきました。
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「この夏で、働きはじめてちょうど一年になりますね。その前もずっと飲食業に携わってきましたが、実は『Sumi Cafe』にくる前は、このまま同じ仕事を続けるかどうか悩んでいました。当たり前と言われればそうですが、飲食業というのは、朝が早くて夜も遅いのが常。でも、結婚して子どもができて、家族の時間が持てなくなって、これはいかんと思ったんです。子どもと自分の生活スタイルがちぐはぐで、なかなか顔をあわせて過ごす時間がない。見るのは寝顔ばかりで、あるとき出勤しようとしたら、〝いってらっしゃい〟ではなくて、〝また来てね!〟と言われてしまったことがあって…父親としては痛い一言で、働き方を見直そうと本気で思いましたね。」

日に日に成長していく子どもたち…見逃せない瞬間であふれているこの時を大切にしたい、仕事を変えてでも家族の時間を持ちたい、そう思っているときに、『Sumi Cafe』の店長として働いてみてはどうか、という話が舞い込んできました。
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※『Sumi Café』店内

「僕としては願ってもない話でした。ここでの勤務なら、16時半ラストオーダーで、17時にはクローズ。それまでの職場と比べて、勤務時間は圧倒的に短くなりました。仕事終わりにプライベートの時間が持てるし、なにより子どもと一緒に晩御飯が食べられる!忙しいと摩耗してしまうけれど、ここには仕事も日常も楽しむことができる余白があります。幸せって人それぞれだとは思いますが、僕はここにきて日々幸せだなあと感じる瞬間が増えたんですよね。」
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〝料理人は創作する仕事〟。1日の余白が仕事にもいい影響を与えていると丸山さんは話します。現在、住まいは福岡市内で、『Sumi Cafe』へは車で通勤しているそう。スローライフや自然環境が注目される糸島ですが、福岡市に接した西隣のまち。市内に住んで糸島へ通えば、街の暮らしと豊かな自然の両方をいいとこどりすることもできます。

「〝田舎暮らしをするぞ!〟と、意気込まなくても、自然に近い環境で暮らしたり働いたりすることができるのは、福岡の大きな魅力です。家族、とくに成長過程の子どもがいると、学校や買い物、病院なども暮らしにおいて大切な要素ですよね。その時々でベストな生活環境というのは変わっていくとは思いますが、それを選ぶことができる、選択肢が十分にあるというのは、これから福岡に移住を検討される方にとってもいいことだと思います。」

▼3店舗がそれぞれに個性を発揮して

形態の違う3つのお店がせっかくひとところにあるのだから、もっと回遊を促進できるように、そしてここでの滞在時間をもっと長く、もっと楽しんでもらえるように…。「新しい仲間が増えても、やること・やりたいことは山ほどある」と丸山さん。
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「ここで働くには、なによりもまず自然が好きなこと、自然と折り合えることが大切です。そして、飲食や接客、販売を兼務することもあると思うので、そんな環境を楽しいと思える方が合っているんじゃないかなと思います。『Sumi Cafe』の2階は、今、雑貨屋として準備中。スタッフが常駐してしっかり運転していくことができれば、またここに新たな顔が生まれることになるので、販売スタッフも必要ですね。今は組織が小さいだけに、みんながみんなプロフェッショナル。料理もできて、ホールもできて、中にはお菓子もつくれちゃうようなスペシャリストもいます。現在のメンバーとも刺激しあって、いい化学反応を起こせるような、そんな方に来ていただけると嬉しいです。」
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ところで、『またいちの塩』の会社名である新三郎商店にはじまり、『イタル』、『Sumi cafe』などの屋号は、すべて平川さんの先代から名前からもらってつけたものだそう。ルーツを大切にするオーナーの思い、『またいちの塩』の物語、それらに共感して同じように大切に思える、そんな仲間の応募を、全国からお待ちしています。

会社名
新三郎商店株式会社
募集期間
決まり次第終了
採用人数
3名
募集職種
調理・販売・接客
雇用形態
正社員・パート・アルバイト ※応相談
勤務地
福岡県糸島市本1454
勤務時間
店舗による
給与
【正社員】
20万円〜
【パート・アルバイト】
760円〜
※能力に応じて
福利厚生
【正社員】
各種社会保険完備
【パート・アルバイト】
応相談
休日休暇
シフトによる
仕事内容
調理、ホール・接客業務、カフェ業務、雑貨店での販売業務
応募資格
なし
選考プロセス
STEP-1.本サイトへお申込み
STEP-2.面接
備考
環境と塩に関心のある方歓迎
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この記事を書いた人

藤井優子

山口県下関市出身。
福岡でタウン誌の編集を経て、フリーライターに。主に暮らしや結婚などライフスタイルにまつわる媒体に携わる。糸島市HPにてコラム「糸島くらし」、福岡R不動産サイト「移住者インタビュー」などを連載。